小切手は、現金にかわる支払手段に使用されます。
特に、高額な支払の場合や、遠隔地の相手に対する支払をする場合には、現金そのものを移動させると盗難
などの危険性があるので、このような場合には小切手は非常に便利です。
小切手に必要事項を記載して、支払う相手に手渡すことを「小切手を振り出す」といいます。
小切手は現金の代わりに相手に手渡され、受け取った人が銀行に持参し、自分の預金口座に預け入れてもらう
か、または現金に換えてもらいます。銀行は、現金を支払うべき人(振出人)に代わって、小切手を持参した人
(持参人)に支払をしてくれますが、振出人の当座預金口座から小切手に記載された金額を引き落としますので
支払に見合う資金をあらかじめ用意しておかなければなりません。
また、自社が現金を引き出したいときにも、小切手を振り出す必要があります。
当座取引を開始するときに銀行から小切手帳を発行してもらい、当座預金の残高の範囲内で発行で
きます。
種 類 | 特 徴 |
持参人払小切手 | 持参人であれば、誰でも支払われる小切手 |
線引小切手 |
小切手の上部に2本の平行線が引かれた小切手。 |
先日付小切手 | 資金繰りなどを理由に、振出日を実際の日付より先にする小切手。 ただし、この先日付に法律的な効果がないため、持参人が振出日以前に銀行に持ち込んだとしても、銀行は支払を拒絶できない。そのため不渡りなどの原因になる。発行先は、振出日を守る信用のおける相手のみに使用する。 |
A | 「小切手」という文字(印刷済み) |
B | 支払地(支払銀行の所在地)(印刷済み) |
C | 支払銀行名(振出人が当座預金を開設している銀行名・印刷済み) |
D | 支払金額(チェックライターを使用する 金額の前には\マーク、後ろに は※をつける) 手書きの場合は漢数字で記載する「壱、弐、参・・・拾、百、千、億」 金額の頭に「金」、最後に「円也」をつける |
E | 支払委託の文章(印刷済み) |
F | 振出日(小切手が振り出された日付)←小切手の効力発生 |
G | 振出地(振出人の所在地) |
H | 振出人の住所・会社名・代表者氏名及び銀行印の押印 |
I | 控えとの境目に銀行印で割り印する |
控え部分 (振出人側で保存)
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I切取線を またぎ両 側に印が つくように 割り印 |
VX9800 小切手 A 支払地 東京都港区××町1−2−3 B 東南銀行○○支店 C 金額 ¥310,000※ D 上記金額をこの小切手と引き換えに 持参人にお支払いください E 平成××年8月10日 F 東京都港区 G 振出人 東京都港区××町5−6−7 H 株式会社 山田商会 代表取締役 山田 太郎 |
且R田商会は仕入代金支払のため、上記の小切手を振り出して叶X村商事に手渡した。
小切手代金は、叶X村商事が銀行に持参し換金すれば、山田商会の取引銀行である東南銀行
○○支店にある当座預金口座から、310,000円引き落とされる。
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発行する場合 | 小切手に記載すべき項目に記入漏れや誤りがないか 要件がそろっていない小切手は無効になり、受け取った側にも迷惑をかけ信用問題に関わる |
小切手帳の控え(左端の残る部分)には振出日・金額・支払先・内容を記入し大切に保管する(作成日と実際に手渡した日にかなりの間隔がある場合には、後でわかり易いようにメモしておく) | |
小切手の決済状況を管理する(管理表を作成し引き落とされていくつどチェックしていく) | |
小切手金額を引き落とせるだけの当座預金の残高が残っているか注意する 不足して決済できない場合には不渡りとなる |
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一度振り出した小切手が使用されなかった等の理由で未使用になっている場合他の支払いに安易に使いまわすのはやめます。作成時に失敗した場合も左端の小切手番号を切り抜き一緒につけるなどしておく | |
小切手は金庫に大切に保管し、盗難に気をつける(受け取った場合も同様) | |
受けとった場合 | 小切手を受け取ったら、すぐに現金化の手続きをします 自社の取引銀行のに持っていけば入金手続きを代行してくれますが、引き出すまでに通常1週間前後かかります。すぐに現金化したい場合には、支払地の銀行へ小切手を持参しましょう |
小切手の支払を求める手続き期間(支払呈示期間)は振出日の翌日から10日以内となっています |
小切手は銀行にもっていくと現金と交換されるというものですから、小切手という紙切れ自
体後に残りません。たくさんの小切手を受け取るような企業では管理表を作ったり、コピー
を残すようにします。
小切手の裏書
小切手の裏面に所定の事項を記載して、他人に譲ることもできます。
譲り受けた人も、銀行で呈示するだけで、支払を受けられます。
小切手記入誤りの訂正
記入時にミスをしたら、ミスをした箇所に二重線を引き、振出人の印鑑(銀行印)を押して、その上の空白に正しく記入します。
ただし、訂正されたものは、振出人が訂正したものかどうか疑われる場合もあります。
大きな失敗をした場合は、その小切手は使用せずに控えに綴じ込み、新しく書き直した方が無難です。